魔物を料理して食べる!
というそれまでになかった発想で話題になった漫画「ダンジョン飯」
登場するメインキャラの一人ファリンは物語全体の目的となる重要な役どころですが、冒頭5Pでいきなり食べられて死んでしまうという不幸な運命をたどります。
その後も生き返るかと思えばキメラ化したり、また殺されたり氷漬けにされたりと、ある意味ダンジョンを冒険してきたメンバーよりも大変な目にあってしまいます。
最終的にファリンは生き返るのか?キメラ化したけど人間に戻れたのかどうなったんだっけ?
一度読んだだけではよく分からず、モヤモヤしている部分もあるのではないかと思います。
ダンジョン飯を何度も読んだ筆者が物語がどうなったのか、ファリンを中心に考察も交えてお伝えします。
※この記事はダンジョン飯の最後までのネタバレを含みます。
ダンジョン飯ファリンは生き返る?
ファリンの動向?を簡潔にまとめるとこうなります。
1巻 レッドドラゴンに食べられて死亡。
4巻 マルシルの古代魔術にて復活。
5巻 迷宮の主シスルによってドラゴンキメラ化(なかなかグロい…)
10巻 兄ライオスによって死亡(違った方向でまたグロい…)
最終14巻 ファリン無事に復活!
改めて書くと本当にお疲れさまです!と言いたくなる役どころ。特に5巻、10巻のシーンは見ていてなかなかキツイものがあります。
そのため最後に復活した時にはあ~良かった~といった気持ちもひとしおでした。
ダンジョン飯はファリンを人間として取り戻すためのライオスたちの冒険のお話です。
キメラ化したのになんで人間に戻れたのか?その経緯をまとめていきます。
ファリンはキメラ化した後どうなった?
キメラ化してしまったファリン。まずその理由から解説します。
そもそもなんでファリンはキメラ化したのか?
本人の骨とドラゴンの肉によって復活したファリン。
しかしそのためにドラゴンの魂が混ざってしまいます。
ドラゴンはもともと迷宮の主であるシスルに作られて行使されていた存在でした。
無事に復活したファリンでしたが、シスルに出会ってしまったことでドラゴンの魂に干渉され、キメラに作り変えられてしまいます。
シスルからドラゴンに与えられていた命令は「迷宮内の侵入者を殺す」こと。
このためファリンはライオス一行やその他の冒険者たちを排除する危険なモンスターと化してしまうのです…
キメラ化したファリンはどうやって倒された?
結論からいくとカレーとお酒で泥酔したところをライオスによって窒息死させられます。
何がどうしてそうなったと思える話ですが順を追って解説していきます。
上半身が人体、下半身は巨大なキメラとなってしまったファリン。
キメラ化したときはライオス一行からはぐれて行方不明になっていましたが、6巻で再び一行の前に姿を現します。
ライオス達のほか居合わせた冒険者たちに苛烈な攻撃を加えますが、魔法などで反撃を受けてこのときは撤退していきます。
突如キメラ化した妹に襲われてショックを受ける兄ライオス。しかしさすがの魔物狂ライオス兄貴。
異形の姿となった妹を見てもその威容に「かっこいい….」と感想をもらすのでした。
モンスターが好きすぎて観察を怠らないライオスは気が付きます。
生物として、体が大きい割には口が小さ過ぎる。必要な量に対して食事の摂取が間に合っていないはず。ということは常に腹ペコに違いない!
この弱点を突くべく10巻からファリン討伐のための作戦が開始されます。
腹いっぱいにさせて酒も与えて居眠りさせてやっつける!ヤマタノオロチ作戦ですね。
キメラ化したファリンの小さな口と噛む力の弱い顎を考慮し、流し込めるカレーを選択。大量に作ってさらにビール樽を用意します。
カレーの匂いで森に誘い込まれたファリン。おなかが空いてたまらないところにカレーとビールを見つけ喜んで平らげていきます。空腹が満たされると居眠りを始めてしまいました。
作戦が見事にはまったところでライオスが現れます。
ここでなんでよりにもよって窒息させるなんて方法を選んだのか?
ここでもライオスのモンスター観察が行われています。
キメラの外皮は硬すぎて攻撃が通らない。人間部分の急所への攻撃は致命傷とはなっていない。食事を見る限り摂取できるのは人体部分の口だけのようだ…
つまり意外にも、呼吸を止めてしまえば殺せる、という結論に達します。
キメラになった姿とはいえ、じかに妹の命を奪う。覚悟を決めたライオスが一人で向かいます・・・
眠ったファリンの頭をなでると、寝ぼけながらうっすら目を覚まします。すかさず布を口に当てがって苦しむファリンを窒息させる…
個人的には作中屈指の生々しくつらいシーンでした。
(ファンタジー満点の世界にリアルな現実の解釈を当てはめる。というのが一風変わって面白い作品だと思うのですが、それを利用することで合理的にモンスターを倒せるだけでなく、妹を殺すことの絶望感やライオスの覚悟まで感じられる。作者さんの構成と演出すごいな…と思ったシーンでもあります。)
とにかくキメラ化したファリンを元に戻すための第一段階は成功しました。
次はここからどうやって人間に戻すのか解説していきます。
ファリンはどうやって人間として生き返った?
倒してキメラ部分を切り分けて復活させる。それだけではまたキメラの体で復活してしまいます。
人間として復活させるには以下の工程が必要です。
・キメラ化した部分を切り分ける!
・キメラ化した部分を食す!
・ファリンを復活させる!
細かく補足していきます。
キメラ化した部分を切り分ける!
ライオスたちはファリンがキメラ化した理由を、ドラゴンの魂とファリンの魂が混ざってしまったことだと考えました。
ならドラゴンの魂を切り離して生き返らせれば、ファリンは人間として復活できるはず。
これが物語の中では卵料理で例えられているのですが(ダンジョン飯らしいし分かりやすい!)上半身人間で下半身モンスターというのはベーコンエッグのような状態ではないかと。
つまりベーコンと卵がやんわりとくっついている様に、ドラゴンの魂の上にファリンの魂がくっついている…
確かにキメラファリンの見た目からしても、融合というよりは合体って感じですよね。
(これがもしハーピーの様な見た目の、魂スクランブルエッグ状態ならファリンの人間としての復活というのは不可能だったのではないかと思います。紙一重…)
とにかくキメラ化部分を切り分けて、かつその中のドラゴンの魂を消滅させる必要があります。
どうやって魂を消滅させるのか?もちろん「ダンジョン飯」ならではの方法です。
キメラ化した部分を食べる!
食べてしまえば食べられた生物は復活できなくなる。
迷宮内は不思議な魔力の働く空間であり、体が残るような死に方なら蘇生することができます。
蘇生するともちろん生前の姿に戻ります。
ファリンを生き返らせる場合でも、キメラの体が残っていればそこにはドラゴンの魂が宿ったままで、人間としての復活はできないのです。
ファリンのキメラ化した部分を食べてドラゴンの魂を消し去る!
それから生き返らせればファリンは元通り人間として復活できるはずです。
理論的にはこれで解決。なのですが問題となるのはその巨体。
およそ3tの肉だと言われていますが、ライオス一行だけで食べきるとなるとかなりキツイ量です。
(ひとり1日1kg食べると、5人で600日かかる)
もっと大勢の人にファリンを食べてもらわなければならない。
10巻時点ではライオス達にはどうしようもできず、その後に迷宮の主の力でファリンの遺体をひとまず冷凍保存することになります。
そして最終14巻、作中に登場したほぼ全員でファリンを食べるという展開となるのです!
ライオスがこの作品のラスボス・悪魔である翼獅子と対峙するその直前。
カナリア隊の隊長ミスルン他一同ととある約束を取り付けます。
「俺が悪魔をなんとかできたら、ここにいる全員に食事を振る舞いたい!!!」
「皆で一緒に飯を食べると約束してくれ!!」
(ナニをふるまうのか言わない当たりずるい。)
そうして悪魔を倒した後、元・仲間のシュローやナマリたち、オーク族、カナリア隊などのエルフたちの前で改めてお願いするのです。
「俺の妹を俺たちと一緒に食べてほしい!」
頭がおかしいのか!
と速攻で突っ込まれ、一同からは大ブーイングをくらいます。
それでも妹を取り戻したい、という気持ちを真摯に伝えると、皆そろって料理の準備を手伝ってくれるのでした。
ファリンを復活させる!
何しろ巨大なキメラの肉体です。
細かく切り分けられさまざまな料理が作られます。
肝臓と胸肉のミートパイ、血のソーセージ、すねや尻尾の煮込み、グラタン、ステーキ丼・・・
一同、基本的には美味しそうに平らげていきますが、最後の料理クリーム煮が作られたころにはもうおなかいっぱい。
最後は悪魔の胃袋を手に入れたライオスが完食しました。
さらに食べられない骨や皮や脂は細かくして森や海に撒くという徹底っぷり(大自然に食べてもらうため)
ようやく蘇生を試す段階に入ります。
消化器官や脚が無い状態(キメラの肉体のまま)のため正直この蘇生は難しい、と評されますが
ここまでやってきて成功しない筋書きはありえない。
ファリンはやっと人として無事に復活!
体の一部にキメラの名残である羽毛らしきものが残ることになってしまいましたが、そこはさすがのモンスター大好きライオスの妹。
「すごくいい・・・」とむしろ喜んでいるのでした。
まとめ
生き返ったのちにキメラ化したファリン。ライオスによって討伐され、最後の最後でようやく人間として復活することができました。
キメラ化した後はどうなるんだコレ・・・と不安に思う瞬間もありましたが無事に大団円となりました。
こうやって書き出すと、その展開に至る理由がキチンと書かれていて、本当に隙がなく設定が作り込まれてるなと感じます。
ファリンの死で始まり、ファリンの復活で幕を閉じるダンジョン飯。
二転三転するストーリーで先の展開が読めない、すごく面白い漫画ですよね。
未読の方やまだ全部読んでない!という方はぜひもう一度通して読んでみてください。
ファリンが復活してライオスやマルシルに抱きしめられている所はきっと感動できると思います。
次回は、ダンジョン飯のメインヒロイン?かわいオモロイ魔術師マルシルについて深掘りします。
こちらもお楽しみに~(*´ω`*)
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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